新年のご挨拶

寒中お見舞い申し上げます。
旧年中は多くのご愛顧を賜りありがとうございました。今年も銅版画制作の魅力をお伝えできるよう努めてまいります。お引き立て賜りますようお願い申し上げます。

さていよいよ本日より本年の開所始めです。
が!雪です!誰も来ません。
腐食液もキレイに入れ替え初日に備えましたが‥トホホ

子供達が雪だるま作ってます。元気だな〜

さて今年もアナログな版画年賀状が届きました

うむむ‥やはり一枚一枚味わい深い!

年末のご挨拶

本年も銅版画工房エフプレスをご愛顧いただきありがとうございました。
銅版画制作はさすがにリモートというわけにもいかないのでわざわざ足を運んでいただいた会員、また暖かく応援していただいた皆様にも感謝感謝です。本年は混雑を避けるため予約制にさせていただくなどご迷惑をおかけいたしましたが、来年も少しでも快適に楽しく制作していただけるよう努めてまいりますので変わらぬご愛顧の程よろしくお願いします。

来年こそはグループ展などで会員の作品力作をお目にかけたい!とも考えております。銅版画制作のリモートが難しいように、銅版画作品の魅力もどんなに端末の解像度が上がろうとも画像では伝えきれません。インクの微妙な盛り上がり、紙の質感とともにイメージだけではなく「モノ」であることも銅版画の魅力のひとつです。それは作品の現物を見ていただかないとなかなか伝わりません。
‥というわけでひとつ来年以降も重ねてよろしくお願い申し上げます。

さて今年の工房刷り納めは!


かわいいです。
会員の坂井さんの年賀状でした。

年賀状‥版作り

毎年、銅版画で年賀状を刷っています。
今年もあと十日あまり‥汗。
例年ですと徒然なるままにニードルを走らせるのですが今年は雪舟師匠のお力を借り「龍虎図」の虎の模写をすることにしました。
とりあえず下絵を描いてみます。


うむむ‥これは猫ですね。尻尾も不思議な形です。いちおう原画を忠実に再現したと‥思いたい!


下絵をグランドを塗った銅版に伏せて乗せ軽い圧でプレス機を通すと反転した図柄が写ります。これをアタリにニードルで描画をしていきます。
(この後の描画と腐蝕の工程、作業に夢中になり撮り忘れました)


腐蝕を終えグランドを落としました。
描いてるうちになぜか尻尾がはみ出てました。
ウムムなんだか右の余白の収まりが悪いな‥と思いめったにやらないのですが銅版を5ミリ切ることに。より原画に忠実になるように。




ドライポイントニードル→アクリルカッター→銅板切りである程度まで溝を掘り最後はペンチで曲げていくと折れて切れます。ちょっと溝が浅いのに強引に曲げたため銅版が少し波打ってしまいました。銅は比較的柔らかい金属ですが手作業できれいに切るのにはそれなりに手間がかかります。シャーリングという鉄工所で使うような金属切断機があればズハンと切れるのですがこちらの工房にはありません。

制作に使っている銅板は0.8ミリですが、0.3ミリくらいの薄い銅板でしたらハサミで切れますので版を自由な形にできます。しかし薄いので折れたり曲がったり、また長時間の腐蝕には向いてません。
さて納得の構図でいよいよ刷りに入ります!

年末年始のご案内

早いもので今年もあと二週間ほどですね。
いまひとつ年の瀬感はありませんが工房でも銅版画で年賀状を刷っている方もチラホラ。
インクを詰めては拭き取りプレス機を回す、一枚一枚手間がかかりますがプリンターによる印刷では出ない味わい深い深すぎる年賀状が刷り上がります。

さて工房は12月27日の日曜まで営業いたします。
開けて来年は1月6日の木曜から開所いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。


銅板の角落とし‥私の年賀状はこれからですトホホ

千葉市美術館ワークショップ「エッチング、はじめての銅版画体験」

まだ少し先ですが、来年の2月23日(水・祝)に千葉市美術館で銅版画のワークショップの講師を務めることになりました。
子どもから大人までわかりやすく、それでいて銅版画の神秘?驚きに触れられるような楽しい一日にしたいと思っています。
一般的にはエッチング=銅版画だと思われているフシがありますが、いわゆるエッチングは銅版画の一技法で銅版画の総称ではありません。「銅版画?‥エッチングですか?」となるのはそれくらいエッチングの呼称の響きに特別な何か、もしくは親しみ感があるのでしょうか(私の個人的な意見ですが「エッチング」に親しみと楽しい印象を与えたのは、山本容子さんの仕事に帰するところが大きいと思っています)
さてエッチングが数多く制作されてる理由の一つに描画における手軽さをあげることができます。硬い金属の銅版に直接絵を彫り込んでゆく技法はそれなりの技術が必要です。なかなか思うような線がひけないことも多々‥。しかしエッチングは薬液の準備や版の下処理は必要ですが、版に「彫る・けがく」のではなくもっと絵を「描く」感覚で描画が進められます。描くのに強い力や専用の道具を使いこなす技術は必要なく、版に凹みを作るのは腐食液に任せてニードル一本で版上に自由に線をひくことができます。と言っても黒い版面に描くことに最初は戸惑うことあるかもしれませんがそれも新鮮な楽しみです。
なかなか文章では制作のイメージは伝わりづらいかと思います。千葉市美術館のHPではすでに募集が始まっていて、そのページでは制作工程の画像・チラシも掲載されておりますので参考にご覧ください。
https://www.ccma-net.jp/learn/events/related/2022-2-23-ws-etching/
エッチングに興味があり気軽にやってみたい思っている方には絶好の機会です。ぜひともご参加ご紹介ください。
よろしくお願いいたします。